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尿検査値の検査目的:検査値ドリル

2015/04/23

検査値に関する問題です。検査値が読める薬剤師になりましょう!
【回答を表示する】ボタンで、正解と解説が表示されます。
ご自分で一度考えてみてから、答え合わせをしてみてください。

■正しければ○、誤っていれば×で答えよ。


1)【尿ウロビリノーゲン】の検査目的は肝臓、胆道疾患の有無を調べることである。

2)【尿潜血】の検査目的は腎臓から尿道口までの組織破壊の有無である。

3)【尿ビリルビン】の検査目的は腎臓機能の異常を調べることである。

4)【尿蛋白】の検査目的は腎臓機能の異常を調べることである。

5)【尿ケトン体】の検査目的は生体の酸、塩基平衡の推定である。




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1)◯
ビリルビンが分解されたウロビリノーゲンは大半が便とともに体外に排出されるが、一部腸管から吸収され、血液により腎臓に運ばれて、尿とともに排出される。尿ウロビリノーゲンは疑陽性が正常であるが、陽性の場合、肝炎、腸閉塞、溶血性貧血などが疑われ、陰性の場合、胆管閉塞、腎不全などが疑われる。

2)◯
腎臓から尿道口までに組織破壊が生じると赤血球が混入するようになる。この検査では肉眼では識別できない微量の血液の混入を調べることができる。尿潜血は陰性が正常であるが、陽性の場合、腎、泌尿器系の炎症、ヘモグロビン尿症、ミオグロビン尿症等が疑われる。

3)☓
正解は肝臓、胆道疾患の有無を調べることである。ビリルビンは肝臓で処理され、胆汁色素の主成分になるが、その多くは十二指腸に排泄されるが、ごく一部が血液に入り、腎臓を経由して尿中に排泄される。尿ビリルビンは陰性が正常であるが、陽性の場合、肝細胞障害(肝炎、肝硬変、肝ガン)、肝内胆汁うっ滞などが疑われる。

4)◯
血液中の蛋白質は腎臓の糸球体濾過後、大半が尿細管で再吸収され、微量が尿中に排泄されるが、腎機能低下が起こると尿に排泄される蛋白量が増加する。尿蛋白は100mg以下が正常であるが、高値の場合は糸球体腎炎、ネフローゼ症候群などが疑われる。

5)☓
正解はブドウ糖の代謝異常の有無を調べることである。ブドウ糖の代謝異常が起こると、肝臓で脂肪が分解され、ケトン体の生成がおこる。この生成が亢進すると尿中、血中ケトン体の増加がおこる。尿ケトン体は陰性反応が正常であるが、陽性の場合は糖尿病、脱水、飢餓などの症状が疑われる。







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